当院の診療で大切にしていること
院長からのご挨拶でご紹介した当クリニックのモットー
を実行するため、当院では以下のことを心がけて診療いたします。
「90%には安心を」のために
次の5つのことについて、できるかぎり説明いたします。
説明は、医師または看護師が直接ご説明する場合と、ご自宅でお読み頂くためのパンフレットをお渡しする場合があります。
お子さんの病気のもっとも疑われる診断について
お子さんの病気は、おとなとちがって、検査で確定診断をつけられることが少ない、急性の病気のため日ごとに病状が変わることが多い、という特徴があります。当院では、そんな中でも「今の時点でもっとも疑われる診断名」をお伝えし、「何の病気か分からない。」というご不安を取り除きます。
お子さんの病気の緊急性について
お子さんの病気の多くは、「今すぐ何かしてあげないと治らない。」ということはありません。当院では医学的根拠を分かりやすくご説明して、ご家族が「あわてなくても大丈夫なんだ。」と安心していただけるようにいたします。もちろん、緊急性があると判断した場合は、ただちに適切な治療をいたします。
お子さんの病気の予想される経過について
お子さんの病気の中には、はじめて診察させていただいた時に今後の自然な経過を予想できるものも少なくありません。当院ではこれについて分かる範囲でご説明して、ご家族の「先の見えない不安」が少しでも解消されるように努めます。
自宅でのケアのやり方と観察していただきたいポイントについて
当院では、お子さんの病気ごとに自宅でのケアのやり方を具体的にご説明いたします。また、「どこのどんな様子に注意して見ればお子さんの具合の良し悪しが分かるのか」について分かりやすくご説明いたします。
当院や救急病院を受診される目安について
後日もう一度診させていただく必要がある場合は、適切な再診日をお伝えいたします。さらに、「上記の観察ポイントがどうなったら救急病院を受診するべきなのか」についてもあらかじめご説明し、もしもご病気が悪くなった場合でも落ち着いて対処していただけるように努めます。
「10%には安全を」のために
当院院長は小児救急を専門としています。「救急車を呼ぶほどではないと思うけど、急に具合が悪くなって心配。」というときにも、病院の救急外来感覚で当院をご受診いただけるよう、以下の態勢を整えています。
小児救急トレーニングを学んだ看護師・医師が緊急性を判断します。
まず、病状の重いお子さんを優先的に診察し、なるべく早く必要な治療をさせていただくために、待合室において小児救急のトレーニングを受けた看護師が問診用紙とお子さんのご様子を確認し、医学的評価にもとづいて緊急性を判断させていただきます(これを「トリアージ」といいます)。この際、簡単な聴診、身体の酸素濃度の測定、指先での血糖値測定などをさせていただく場合があります。トリアージの結果、緊急性が高いと判断したお子さんについては、予約の有無や予約時間にかかわらず、優先的に医師が診察いたします。
緊急治療機器を充実するとともに、迅速な医療連携をおこないます。
院内には超音波検査や血液ガス測定器などの特殊な検査機器を設置し、酸素吸入、ネブライザー、急速点滴、マスクによる呼吸補助などの緊急治療が可能です。お子さんの病状が重く、病院での高度治療や入院治療が必要と判断した場合は、迅速に紹介いたします(場合によっては、救急車を手配します)。
モットーの実行のため、職員一同笑顔を心がけ、また最新の医療的技能の維持に努めます。
お気づきの点がありましたら、どうぞご遠慮なくおっしゃって下さい。
※抗生物質の処方について
お子さんの急性の病気の多くはなんらかの感染症ですが、そのほとんどは「ウイルス」が原因です。ウイルスには抗生物質は効きませんし、逆に抗生物質によって副作用をおこしたり、からだの中で抗生物質の効きにくい細菌(耐性菌とよびます)が繁殖して、将来、本当に抗生物質が効いてほしいときに効かなくなる、という危険性があります。当院ではこのような理由で、抗生物質は原則として必要と判断した場合にかぎり処方いたします。
逆に、医師より抗生物質が処方された場合は、指示された用法・用量と投与期間を守って服用してください。抗生物質の中途半端な服用も耐性菌を作る原因となるためです。
以上、ご理解とご協力をよろしくお願いします。
※検査の実施について
「どういう患者さんにその検査をするか」を「検査の適応」といいます。さらに、検査の適応には、医学的適応と保険適応の2つがあり、診療方針を決定する上でその検査が必要である場合に「医学的適応がある」といい、現在の日本の保険診療制度においてその検査の実施が認められている場合に「保険適応がある」といいます。
インフルエンザの迅速抗原検査を例に言うと、その結果によってインフルエンザの診断と抗インフルエンザ薬の処方を決定しようと考える場合が医学的適応であり、発熱後48時間以内に実施することが保険適応です。
当院では、これら医学的適応と保険適応の両方を考慮して、ある検査の提案をするかしないかを決定いたします。医学適応あるいは保険適応がない検査を患者さんの希望によって行う場合は、診療自体が自費診療となりますので、あらかじめご了承ください。